言葉は社会を表す 2018 4 29

書名 米語でウォッチ 日本からは見えないアメリカの真実
著者 旦 英夫(だん ひでお)  PHP

 私は、10年以上前に、
アメリカには、二つの人種があると書きました。
「リベラル」という人種と「保守」という人種です。
 このような「人種」については、
渡辺将人氏が書いた「見えないアメリカ」という本が詳しいのですが、
その本の中で、「モーの保守化実験生活」の話が出てきます。
 この実験とは、「リベラルな人が、
保守的な生活の嗜好を持つことは、まったくないのだろうか」と考え、
リベラルな地域から、保守的な地域に転居して、
自分が保守化するかを実験したのです。
 アメリカにおいては、「Liberal(リベラル)」とは、
「政治用語」であるとともに、「生活用語」でもあります。
 たとえば、アメリカにおいては、
「リベラルな飲み物」と「保守系の飲み物」があります。
前者が「スターバックス」で、後者が「クアーズビール」とされます。
 渡辺氏によると、
これは、「強引な比喩」と言いますが、
「おおまかに言って、当たっていると真剣に考えられている。
アメリカの選挙陣営は、スターバックスとクアーズビールの消費データを、
支持政党の割り出しに使用しているからだ」と言います。
 さて、前置きが長くなりました。
「日本からは見えないアメリカの真実」という本について書きましょう。
 著者は、長年、リベラルな地域に住み、
リベラル系の新聞を長年読んだせいか、
この本を読むと、リベラルな印象を受けます。
 とはいえ、著者の文筆は平明で読みやすいものとなっています。
これは、長年文章を書いてきた人の特徴かもしれません。
 また、英語の新聞記事を短く引用して、
日本語訳が書いてありますので、
英語の勉強にもなるという「一石二鳥」の本です。
 さらに、アメリカ特有の「アメリカ英語」を学びつつ、
アメリカの政治、経済、社会、文化を学ぶことができます。
 これからアメリカへ留学する人や出張する人にとって、
「必読の書」となるでしょう。

















































































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